タクシー広告のメリットを最大化!費用やポイント、出稿までの流れを徹底解説

タクシー広告は、ターゲットを絞りやすく、伝えたい相手にしっかり届く広告として注目を集めています。とくに、タクシーは経営者や富裕層が多く利用するため、BtoB商材と相性の良い点も魅力です。
しかし、タクシー広告を配信したい方の中には、「どんなメリットがあるの?」「費用はどのくらい?」と疑問を感じる方も多いのではないでしょうか。
この記事では、タクシー広告のメリット・デメリットをはじめ、費用相場や効果を高めるポイントまでわかりやすく解説します。出稿を検討している方は、ぜひ参考にしてください。
タクシー広告|車内外に掲載される広告

タクシー広告とは、タクシーの車内や車外に掲出される交通広告のことです。助手席の前や窓など、設置場所によってさまざまなタイプがあります。
最近では、後部座席に設置されたタブレットを使って動画を配信する「タクシーサイネージ」が主流になりつつあります。デジタルサイネージの一種で、電車やエレベーターの広告よりも目に留まりやすいのが特徴です。
タクシーは限られた空間で他の刺激が少ないため、乗客が自然と画面に目を向けやすい環境です。ステッカー広告よりも注目度や視聴率が高まりやすく、利用者が多いエリアや時間帯を狙えば、さらに高い効果が期待できます。
タクシー広告のメリット

タクシー広告のメリットは、以下の4つが挙げられます。
- ・経営層や富裕層に効果的にPRできる
- ・広告の視聴時間が長くなる
- ・ターゲティングしやすい
- ・動画に集中しやすい
それぞれ詳しく紹介します。
経営層や富裕層に効果的にPRできる
タクシーは公共交通機関の中でも運賃が高いため、利用者には経営層や富裕層が多い傾向があります。一般社団法人東京ハイヤー・タクシー協会が発表したアンケート調査によると、会社を経営している人の半数以上が、月に10回以上タクシーを利用しているという結果が出ています。

引用:一般社団法人東京ハイヤー・タクシー協会 2021年度(第30回)タクシーに関するアンケート調査結果
忙しい経営者層はテレビやYouTubeなどの広告を見る時間が限られているため、これらの媒体では訴求が難しいのが現状です。
その点、タクシー広告なら決裁権を持つ層に直接リーチでき、商材の利用や導入検討につながりやすくなります。とくに大企業やオフィス街、商業施設周辺で配信すれば、より効果的なアプローチが可能です。
広告の視聴時間が長くなる
タクシーを1回利用したときの平均乗車時間は18分です。
車内は個室に近い空間で、乗客の視線を妨げる要素が少ないため、ディスプレイに配信される広告動画が目に留まりやすい環境となっています。このような特性から、テレビCMやSNS広告に比べて、より長い時間広告を視聴してもらえる傾向があります。
また、視聴時間が長くなるほど、広告の内容が伝わりやすく、強い訴求を実現可能です。広告以外のニュースや天気などの情報コンテンツと一緒に配信されることも多く、興味を持ったまま最後まで見てもらいやすい点もタクシー広告ならではの強みといえます。
ターゲティングしやすい
タクシー広告(タクシーサイネージ)は、乗客・時間帯・曜日などに合わせて配信内容を変えられるため、高い広告効果が期待できます。また、乗客の顔を自動で認証し、年齢や性別を判別して最適な広告が配信されるよう設定できるため、狙ったターゲットのみに配信することが可能です。
タクシーの利用者の客層は、日中や深夜帯、エリア、曜日によって大きく変わります。ターゲットとなる利用者が多いエリアや時間帯に絞って広告を配信すれば、効率的にターゲット層へアピールできるのです。
動画に集中してもらえる
タクシーの車内は、閉鎖的な空間のため、視線を妨げるものが少なく、動画に集中してもらいやすくなります。
また、広告が流れるディスプレイは、後部座席の正面に設置されています。利用者の目線に合わせて広告が流れるため、集中して広告動画を見てもらえる可能性が高いです。
こうした環境によって、紹介されている商品やサービスへの理解度・興味が高まり、広告の訴求効果を最大化できます。
タクシー広告の効果について知りたい方は「タクシー広告の効果は?有名人、芸能人、タレントはキャスティング可能?」の記事もご覧ください。
タクシー広告のデメリット

タクシー広告のデメリットは、以下の3つです。
- ・配信コストが高い
- ・多くの人に見てもらうのは不向き
- ・効果測定がしにくい
それぞれのデメリットを見ていきましょう。
配信コストが高い
タクシーのディスプレイ広告は、ステッカーやアドケースに比べて高コストです。出演者や動画内容、エリア、配信順などによって、数百万円かかる場合もあります。
乗車直後に流れる1本目の広告は、視聴率が高くなる傾向にあるため、特に高額です。2本目以降やランダム再生プラン、配信時間を限定するなど、工夫することでコストを抑えられます。
多くの人に見てもらうのは不向き
タクシー1台あたりの1日の乗客数は、多くても数十人です。タクシー広告を視聴できるのは乗客のみになるため、他の広告方法に比べて広告を見てもらえる人数が少なくなります。
そのため、不特定多数の人がターゲットになる広告内容は不向きです。せっかく高い広告費を払っても、効果が低くなる可能性があります。ターゲットと広告商材がマッチしているかどうかを見極めることが大切です。
効果測定がしにくい
タクシー広告は他の広告方法に比べて、効果の測定や判定が難しいといえます。
YouTubeなどの動画広告であれば、CTR(クリック率)やCV(コンバージョン)など、いくつかの方法で効果を確認することが可能です。しかし、タクシー広告は、広告を見た人のその後の行動を追えません。
そのため、効果の測定をするには、「タクシー広告でサービスや商品を知って問い合わせた人」が何人いるか調査する必要があります。動画内にQRコードを表示したり、意識づけた検索ワードをつけたりするなどの工夫をすると、効果が測定しやすくなるでしょう。
【種類別】タクシー広告にかかる費用

タクシー広告にかかる費用は、広告の制作内容やキャスティングする人材、配信期間によって費用が変わります。ここでは、タクシー広告にかかる費用を詳しく解説します。
広告制作費|100万円〜1,000万円以上
広告制作費は、キャスティングする人材や撮影場所、CGの規模などによって大きく変わります。比較的コストを抑えた内容であれば数百万円ほどから実施可能です。
一方で、演出や映像クオリティにこだわる場合は1,000万円を超えるケースもあります。
そのため、最近では自社の社員をCM出演者として起用するケースも多くあります。できるだけ費用を抑えて広告動画を制作したい場合は、社内で動画制作できる環境を整えるのもおすすめです。
広告配信費|200万〜600万円
タクシーの広告配信(デジタルサイネージ)にかかる費用は、配信するタクシー会社、時間帯、順番などによって変動します。費用相場は、200万〜600万円です。
利用者が乗車して最初に流れるタイプは、視聴されやすく宣伝効果が高い分、費用も上がります。会社によって、配信順や期間などのプランが設けられているので、予算に応じて決めましょう。
広告効果を最大化する3つのポイント

タクシー広告の効果を最大化するために押さえておきたいポイントは、以下の3つです。
- ・ターゲットと配信エリアの明確化
- ・クロスメディア戦略
- ・成果を測る指標設定
それぞれ詳しく解説していきます。
ターゲットと配信エリアの明確化
タクシー広告は、配信する場所や時間帯によって乗客の層が大きく変わります。そのため、配信前に「どんな層に届けたいのか」を明確にしておくことが、効果を左右するポイントです。
もしターゲットが定まっていないまま配信してしまうと、広告が流れても興味を持ってもらえず、コストばかりかかってしまう恐れがあります。
逆に、狙う層に合わせて配信エリアを絞ることで、効率的なアプローチが可能です。たとえば、ビジネスパーソンを狙うならオフィス街や空港周辺、富裕層向けなら高級住宅街など、目的に応じて最適なエリアを選びましょう。
エリアや時間帯を柔軟に指定できるのは、タクシー広告の大きな強みです。「誰に届けるのか」を明確にしたうえで運用すれば、限られた配信枠でもしっかり成果を出せます。
クロスメディア戦略
タクシー広告は、それだけでも十分に目を引く広告ですが、より印象を残すためには、ほかの媒体と組み合わせることが大切です。とくにWeb広告やSNSと連動させることで、乗車中だけで終わらず、継続して関心を持ってもらえる仕組みがつくれます。
たとえば、テレビCMや屋外ビジョンと同じタレントやキャッチコピーを使えば、メッセージをそろえてブランドの印象を強められます。さらにSNS広告と同時に展開することで、「タクシーで見た広告をオンラインでまた見かける」といった形で、記憶に残りやすくなるでしょう。
このように、ほかの広告と組み合わせて考えることで、タクシー広告の短い接触時間でもしっかりと印象を残すことができます。
成果を測る指標設定
タクシー広告の効果を正しく判断するには、配信後のデータを客観的に確認することが重要です。
一般的に取得できるのは、再生回数や配信エリア・時間帯ごとの実績など、媒体事業者が提供するレポートデータです。視聴完了率のような細かい指標まではわからないケースも多いため、別の方法で効果を見える化する工夫が必要になります。
広告内にQRコードを表示して特設ページへ誘導したり、専用のキャンペーンコードを設定したりすれば、広告を見てアクセスや問い合わせした人の数を把握できます。
こうしたデータをもとに、配信エリアや時間帯、クリエイティブの内容を定期的に見直せば、費用対効果を高める運用が可能になるでしょう。
広告出稿までの具体的な流れ

タクシー広告を出稿するときは、広告代理店やキャスティング会社を通じて進行するのが一般的です。打ち合わせから配信までには1〜2か月ほどかかる場合もあります。
出稿までの主なステップは、以下の6つです。
- ・ステップ1:代理店への相談・問い合わせ
- ・ステップ2:広告プランの策定と媒体選定
- ・ステップ3:出演者のキャスティング
- ・ステップ4:動画クリエイティブの制作
- ・ステップ5:広告枠の確定と入稿審査
- ・ステップ6:広告配信と効果測定
それぞれ順に解説します。
ステップ1:代理店への相談・問い合わせ
タクシー広告を検討し始めたら、まずは広告代理店やキャスティング会社へ相談しましょう。タクシー広告は、配信エリアや媒体によってプランが大きく異なるため、専門会社に相談することで自社に合った提案を受けられます。
相談時には、広告の目的・ターゲット層・予算感・希望時期を整理しておくとスムーズです。これらの情報が明確だと、代理店側もより具体的な見積もりやキャスティング案を提示できます。
また、動画広告を検討している場合は、出演者の有無や広告で伝えたい雰囲気・印象を共有しておくと、企画内容の方向性が早い段階で固まりやすくなります。
ステップ2:広告プランの策定と媒体選定
代理店やキャスティング会社との打ち合わせでは、広告の目的に合わせて配信プランや媒体を決めていきましょう。
タクシー広告には、車内モニターを使った動画広告、窓やボディに貼るステッカー広告、アドケースなど、複数の形式があります。なかでも動画広告は訴求力が高く、ブランド認知やサービス紹介に向いています。一方、ステッカー広告は費用を抑えつつ長期間掲出できるため、継続的な認知拡大に効果的です。
また、配信するエリアや期間、再生順によっても費用や効果が変わるため、目的とターゲット層に合ったプランを比較検討することが重要です。必要に応じて、他媒体との併用も視野に入れるとよいでしょう。
ステップ3:出演者のキャスティング
タクシー広告では、出演者の印象が広告全体のトーンを大きく左右します。商品のイメージやメッセージと合った人物を起用することで、短い再生時間でも強い印象を残すことが可能です。
出演者を選ぶときは、知名度だけでなく、商材との親和性やターゲット層との相性を重視しましょう。たとえば、経営者向けサービスであれば信頼感を与える俳優や専門家、若年層向けならインフルエンサーやタレントなど、アプローチしたい層に合わせて選ぶのが効果的です。
キャスティングの経験がない場合は、専門のキャスティング会社に相談すると安心です。条件に合う候補者の提案からスケジュール調整、契約交渉まで一括でサポートしてくれるため、制作をスムーズに進められます。
ステップ4:動画クリエイティブの制作
動画制作では、短時間で伝わる構成や、見やすい演出を意識することが大切です。発注時には、伝えたいメッセージや雰囲気、NG表現などを明確に共有しておくと、仕上がりイメージとのズレを防げます。
また、媒体によって動画の長さや形式、音量などの規定が異なるため、代理店や制作会社に確認しながら進めるのがおすすめです。依頼後も仮編集の段階で内容をチェックし、狙っていたメッセージやイメージがきちんと伝わっているかを確認すると安心です。
ステップ5:広告枠の確定と入稿審査
制作が完了したら、プラン策定時に確認していた広告枠を正式に確定し、入稿審査に進みます。タクシー広告では、媒体ごとに枠の空き状況や配信開始時期が異なるため、代理店と連携してスケジュールを調整しましょう。
入稿時には、広告の内容が媒体のガイドラインに沿っているかを審査されます。表現・著作権・肖像権などの項目に問題がなければ、審査を通過後、配信スケジュールが確定します。
審査には数日から1週間程度かかる場合があるため、制作の最終工程と並行して準備しておくのがおすすめです。
ステップ6:広告配信と効果測定
入稿審査を通過すると、いよいよ広告配信がスタートします。配信開始後は、代理店や媒体事業者から提供されるレポートをもとに、配信エリア・時間帯・再生回数などの実績を確認します。
タクシー広告では、Web広告のようなクリック率やCV数までは取得できないことが多いです。そのため、アクセス解析や問い合わせフォームなど、他媒体のデータとあわせて成果を評価するのが一般的です。
また、配信結果をもとに次回の配信エリアや動画内容を調整すれば、広告効果を段階的に高められます。継続的な改善を行うことで、費用対効果を高めることにつながります。
広告効果を高める出演者の選び方

タクシー広告の印象を大きく左右するのが、出演者の選び方です。短い時間の中でしっかり印象を残すには、商品の特徴やターゲット層、そしてブランドの雰囲気に合った人を起用することが大切です。
商材に合う人物を選べば、広告全体に統一感が出て、伝えたいメッセージもより伝わりやすくなります。また、「誰に届けたい広告なのか」を意識し、見る人が共感できる出演者を選ぶことも重要です。
たとえば、経営層を狙うなら信頼感のある俳優や専門家、若い世代を狙うなら親しみやすいインフルエンサーなど、ターゲットに合わせた人選を意識しましょう。
さらに、企業のブランドイメージと出演者の印象が合っているかをチェックすれば、広告全体の印象に統一感が生まれます。これらを意識してキャスティングを行えば、短い再生時間でもしっかり心に残る広告に仕上がります。
出演者選びに迷ったときは、実績が豊富なキャスティング会社へ相談するのがおすすめです。
キャスティング会社の特徴や選び方について詳しく知りたい方は、こちらの記事もご覧ください。「【おすすめ】大手キャスティング会社5選!メリットや依頼する流れも解説」
相性ぴったり!タクシー広告の事例

タクシー広告の配信事例として、以下の2つを紹介します。
- ・採用・人事管理
- ・クレジットカード
それぞれ見ていきましょう。
採用・人事管理
採用や人事関連に対する企業の悩みを解決するサービスは、タクシー広告に適している商材のひとつです。
決裁権を持った利用者に直接アプローチできるため、認知度や利用率の向上につながります。また、採用や人事関連以外にも、業務フロー改善や経理の効率化など企業の抱える問題を助けるツールが向いています。
採用管理プラットフォームを運営する会社がタクシー広告を配信したところ、サービスの認知度が大きく向上しました。キャッチーなフレーズが印象に残る広告で、サービスの魅力が伝わりやすい内容です。他社と差別化するため、撮影場所をオフィス内ではなく、パウダールームの設定にしたことにより、見た人がより興味を引くことに成功しています。
タクシーで広告を配信する効果で、ターゲットへの認知が上がり、多くの企業がサービスを導入することを検討することが予想できます。
クレジットカード
富裕層向けのクレジットカードや法人向けクレジットカードの宣伝も、タクシー広告に適しています。
月次決算の早期化や利用明細のリアルタイム化など、クレジットサービスを提供している企業がタクシー広告を活用することで、企業の認知度アップにつながった事例です。
通常のタクシー広告枠(30秒)ではなく、コンテンツ枠(15秒)に連続して出稿し、いくつものバージョンを配信することで、ユーザーが飽きることなく最後まで視聴してくれることに成功しました。動画内容もユーザーの心に響くよう、生の声を取り上げ、印象に残る内容になっています。
まとめ

タクシー広告は、乗車中の限られた空間で視聴者の注意を引ける、訴求力の高い媒体です。経営層やビジネスパーソンなど、狙いたい層に直接リーチできる点も大きな魅力といえます。
ただし、費用は配信台数やエリア、時間帯などによって変動し、制作内容によってはテレビCMに近いコストが発生することもあります。効果を最大化するには、目的に合った媒体選定や継続的な検証が欠かせません。
また、短い動画の中で印象を残すためには、出演者のキャスティングが重要なポイントです。商材やターゲット層に合う人物を起用することで、メッセージの伝わり方やブランドの印象が大きく変わります。
株式会社クロスアイでは、タクシー広告をはじめ、各種映像広告のキャスティングや演出支援を行っています。タレント・インフルエンサーの起用を検討している方や、広告の効果を高めたい方は、ぜひお気軽にご相談ください。