インスタ商品提供(ギフティング)の始め方|依頼文の書き方と成功のコツ

企業やブランドがSNSで注目を集めたいときに有効なのが「商品提供(ギフティング)」です。
インフルエンサーに自社商品を提供し、実際に使ってもらった感想を投稿してもらうことで、リアルで信頼感のあるPRが可能になります。ただし、やみくもに依頼するだけでは効果が薄く、場合によっては炎上のリスクもあります。

この記事では、インスタで商品提供を始めるときのポイントや流れ、依頼文の例、注意点まで詳しく解説します。インフルエンサーを活用した商品PRを考えている人は、ぜひ参考にしてください。
インスタで商品提供を成功させる4つのポイント

インスタで商品提供(ギフティング)を成功させるためのポイントは以下の4つです。
- ・目的とKPIを明確にする
- ・ターゲット層に合うインフルエンサーを選ぶ
- ・商材や目的に合ったSNSを選ぶ
- ・インフルエンサーのクリエイティブを尊重する
それぞれ解説します。
目的とKPIを明確にする
商品提供を始めるときは、まず「何を目的にするのか」を決めましょう。目的が明確でなければ、成果を測るためのKPIも設定できません。
たとえば、認知拡大を狙うならリーチ数やインプレッション数に注目します。これらは「どれだけ多くの人に届いたか」を示す指標で、「3か月でリーチ数10万件以上」「インプレッション数20%増」といった数値をKPIにできます。
一方、売上を重視するなら「投稿経由のクリック率2%」や「購入件数100件」などが具体的な指標です。これらは「実際に購買行動につながったか」を判断できます。
こうして目的とKPIを結びつけておくことで、依頼内容がブレず、成果も客観的に評価できます。あいまいなまま進めてしまうと「成功したのかどうか」が判断できず、次の施策にもつながらないため注意が必要です。
ターゲット層に合うインフルエンサーを選ぶ
商品提供の成功を左右するのは、どのインフルエンサーに依頼するかという点です。単にフォロワー数が多い人を選ぶのではなく、ターゲット層に届くかどうかを重視する必要があります。
たとえば、スキンケアであれば美容ジャンルに強い人、ベビー用品ならママ層に支持されている人が効果的です。また、フォロワー属性やエンゲージメント率を確認することで、実際にどんな人に影響力を持っているかを把握できます。
さらに、数字だけでなく、投稿内容やファンとの関係性も確認しましょう。自社のターゲット層と重なるインフルエンサーを選ぶことが、成果につながる重要なポイントです。
商材や目的に合ったSNSを選ぶ
ギフティングはインスタで行われることが多く、写真や動画、ストーリーズなど多彩な機能を活かして商品の魅力を直感的に伝えられる点が大きな強みです。
特にコスメやファッション、食品などビジュアル訴求が重要な商材とは特に相性が良く、自然な生活シーンの中でPRできます。
一方で、目的や商材によっては他のSNSが効果的な場合もあります。たとえば若年層へのリーチにはTikTok、専門性や長尺コンテンツならYouTubeが向いているケースがあります。
まずはインスタを軸にしつつ、ターゲットや商品の特性に応じて複数のSNSを使い分けることがおすすめです。商材や目的に合ったSNSを選べばより幅広い層にアプローチでき、商品提供の効果を高められるでしょう。
インフルエンサーのクリエイティブを尊重する
商品提供を依頼するとき、どうしても「こうしてほしい」と細かい要望を伝えたくなりがちです。しかし、インフルエンサーの発信スタイルを尊重することも忘れてはいけません。
フォロワーはその人らしい言葉や世界観に共感しているため、過度に制約をかけると不自然な投稿になり、逆効果につながる可能性があります。
もちろん最低限の要望や禁止事項、PR表記のルールは明確に伝える必要がありますが、キャプションの言い回しや写真のトーンなどクリエイティブ面は任せた方が効果的です。
表現の自由度を残すことで、より自然で共感性の高い発信につながり、フォロワーからの信頼やブランドへの好意度も高まりやすくなります。その結果、商品提供の取り組み自体が成功しやすくなるのです。
インスタで商品提供をするときの流れ

インスタで商品提供を進めるときの基本的な流れは、次の5ステップです。
- 1、インフルエンサー選定
- 2、連絡と交渉
- 3、商品の発送
- 4、投稿
- 5、効果測定
それぞれ解説します。
1、インフルエンサー選定
ギフティングを始める際の最初のステップは、商品と相性の良いインフルエンサーを選ぶことです。
SNSの検索機能で関連するハッシュタグを追ったり、効率的に候補者を探すにはキャスティング会社へ相談したりするのも有効です。
候補者が決まったら、フォロワー数だけを見るのではなく、どんな層に支持されているか、どんな投稿が多いかを丁寧にチェックしましょう。
過去の案件事例やコメント欄の盛り上がりも参考になり、ブランドの方向性に合っているかが判断できます。インフルエンサー選定の精度が、その後の効果を大きく左右します。
2、連絡と交渉
候補者が決まったら、次はDMやメールでアプローチします。ここで大切なのは、自己紹介と依頼の内容をシンプルに伝えることです。長文は読まれにくいため、要点を整理し「誰が」「何を」「なぜ依頼したいのか」を明確にしましょう。
投稿してほしい形式や希望のハッシュタグがある場合も、先に伝えておくとスムーズです。報酬や納期が発生する場合は、条件をあいまいにせずしっかりと交渉することがトラブル防止につながります。
また、相手が普段どんなスタイルで投稿しているかを踏まえて、自由度を残した提案を心がけると好印象です。信頼関係を築くための第一歩と考えて臨みましょう。
3、商品の発送
依頼を快諾してもらえたら、いよいよ商品の発送です。ここで大切なのは、ただ商品を送るだけでなく「体験の第一印象」を演出することです。
梱包は丁寧に行い、ブランドの世界観を感じられるデザインやカラーを取り入れると印象に残ります。同封するメッセージカードも効果的で、感謝の気持ちや簡単な使用方法を添えると、投稿時の参考にしてもらえます。
特に開封動画やストーリーズで紹介してもらう場合、箱を開ける瞬間のワクワク感がフォロワーに伝わり、購買意欲を高めるきっかけになります。配送方法や到着日時の連絡も忘れずに行い、インフルエンサーにとって快適な受け取り体験を提供することが重要です。
4、投稿
商品が手元に届いたら、インフルエンサーによる投稿が始まります。事前に合意していた形式やタイミングに沿って進行するのが理想ですが、ここでも柔軟性が求められます。
たとえば、写真投稿だけでなくリール動画やストーリーズを組み合わせると、リーチの幅が広がります。依頼側は投稿のイメージを参考資料として渡すことはできますが、あくまでインフルエンサー自身の言葉や表現を尊重することが大切です。その自然さがフォロワーの共感を呼び、結果的にPR効果を高めます。
また、投稿後の反応に対してブランド側から「ありがとう」のコメントを返すと、フォロワーにも好印象を与え、長期的な関係構築にもつながるでしょう。
5.効果測定
投稿が終わったら、最後に必ず効果を測定しましょう。単に「いいね」の数だけを追うのではなく、リーチ数や保存数、リンククリック数など複数の指標を見て総合的に評価することが重要です。
インスタのビジネスアカウントであれば、インサイトデータから詳細な数値を確認できます。目的が認知拡大ならリーチやインプレッション数、売上や資料請求を狙う場合はコンバージョン率や流入数に注目しましょう。データを整理し、どの要素が効果的だったのかを振り返れば、次回の施策改善に役立ちます。
また、インフルエンサー自身からのフィードバックを聞くことも貴重です。「商品の使用感」「フォロワーの反応」「投稿のしやすさ」といった、数字では分からない気づきを得られるため、次回の改善や長期的な関係づくりにも効果的です。
数字と感覚の両面から検証することで、ギフティングの成果を最大限に引き出せます。
インフルエンサーに響く!承諾率を上げるDM依頼文【例文あり】

インフルエンサーに商品提供を依頼するとき、最初のDM文は承諾の可否を左右する大事なポイントです。
長文すぎると最後まで読まれず、短すぎると意図が伝わらないため、「自己紹介→依頼内容→商品の特徴→お願い」の流れで簡潔にまとめるのが理想です。
さらに、相手の投稿に触れる一言を添えると「しっかり見ている」という誠意が伝わり、好印象につながります。以下に実際に使える例文を紹介します。
(インフルエンサーのお名前)様
はじめまして。〇〇株式会社の△△と申します。 このたび、弊社では新商品『☆☆』を発売いたしました。ぜひ(インフルエンサー)様にご体験いただき、もしよろしければInstagramにてご紹介いただけないかと思い、ご連絡させていただきました。 【依頼概要】 投稿内容:商品レビュー・写真付きSNS投稿 投稿時期:2025年●月●日~●月●日(ご都合に応じて調整可能) 謝礼:〇〇円+商品提供 詳細についてご興味をお持ちいただけましたら、改めてご案内させていただきます。ご検討いただけますと幸いです。 〇〇株式会社 マーケティング部 △△ |
このように、誠意を伝えつつ要点を整理した依頼文を用意することで、インフルエンサーに安心感を持ってもらいやすくなります。
インフルエンサーキャスティングについて詳しく知りたい方は「インフルエンサーキャスティング|依頼方法やおすすめキャスティング会社を紹介」の記事もご覧ください。
炎上を防ぐために押さえておきたい注意点

インフルエンサーマーケティングは効果的な手法ですが、一歩間違えると炎上リスクも伴います。成功につなげるために、事前に押さえておくべき注意点は以下の通りです。
- ・ステルスマーケティング規制とPR表記のルール
- ・法律で禁止される誇大表現
- ・投稿を完全に管理できないリスク
- ・シャドウバン対策
それぞれ解説します。
ステルスマーケティング規制とPR表記のルール
インフルエンサーマーケティングで特に注意すべきなのが、ステルスマーケティングとみなされるリスクです。消費者庁のガイドラインでは、広告であることを明確にするため「#PR」「#広告」などの表記が求められています。
依頼側がPR表記を徹底させなければ、炎上や信頼低下を招きかねません。特にインスタでは自然な投稿に見えるからこそ、フォロワーを誤解させない工夫が必要です。
商品提供をお願いするときには、必ず「PR表記のルールを守っていただきたい」と明示しておくことがトラブル防止につながります。
法律で禁止される誇大表現
「絶対に痩せる」「世界一効果がある」といった誇大な表現は、景品表示法や薬機法に抵触する恐れがあります。たとえインフルエンサーの感想であっても、誤解を与える表現はブランド側の責任にもつながります。
そのため、依頼時には使用を避けたい言葉や表現を事前に共有しておくことが大切です。NGワードの一覧を用意したり、投稿前にチェック体制を設けたりすることで、法令違反のリスクを最小限にできます。
信頼性を守るためには、誇張よりも正しい情報を重視した発信を心がけましょう。
投稿を完全に管理できないリスク
インフルエンサーに依頼する以上、投稿内容を細部まで管理することはできません。
フォロワーとの自然なやり取りが価値となるため、過度に指示を出すと不自然な投稿になり逆効果になることもあります。依頼側が気を付けるべきは、基本的な方向性や禁止事項を共有しつつ、あとはインフルエンサーの発信力を信頼して任せる姿勢です。
想定外の表現が出る可能性もありますが、それも含めて個性を尊重することで、結果的に共感度の高いPRが実現します。柔軟性を持って対応することが、長期的な信頼関係の構築にもつながります。
シャドウバン対策
近年よく耳にする「シャドウバン」とは、規約違反やスパム的な行為と判断された場合に、投稿がアルゴリズム上で露出されにくくなる状態を指します。
特に、不自然なハッシュタグの乱用や同じ表現の繰り返しはリスク要因です。依頼時には、ハッシュタグの数や種類を適切に設定するよう伝え、自然な発信を心がけてもらうことが重要です。
また、禁止ワードや著作権に関わる素材の使用も避けるよう指示しておきましょう。アルゴリズムに不利にならないよう配慮することで、せっかくの投稿が埋もれてしまうリスクを防げます。
商品提供(ギフティング)以外のインフルエンサーマーケティング手法

商品提供は手軽に始められる施策ですが、目的や商材によっては別のアプローチの方が効果を発揮する場合もあります。商品提供(ギフティング)以外に活用できる代表的なインフルエンサーマーケティング手法は以下の通りです。
- ・サービス体験
- ・現地訪問型プロモーション
- ・監修・コンサルティング活用
- ・ライブコマース・コラボレーション企画
それぞれ説明します。
サービス体験
商品だけでなく、実際のサービスを体験してもらい、その感想を発信してもらう手法です。
美容サロンや飲食店、ジムやオンライン講座など、体験型サービスと相性が良く、利用シーンをリアルに伝えられるのが特徴です。
写真や動画で「実際に試している様子」を共有することで、フォロワーが自分ごと化しやすく、来店や申し込みといった具体的な行動につながりやすい施策です。
現地訪問型プロモーション
店舗や観光地、イベント会場などにインフルエンサーを招き、その場で体験してもらう施策です。現地でしか感じられない雰囲気や人との交流を発信できるため、臨場感のあるPRが可能になります。
特に観光業や飲食、小売業では、来訪のきっかけづくりに効果的です。現地でのストーリーズ投稿やライブ配信を組み合わせると、より鮮度の高い情報としてフォロワーに届きやすくなります。
監修・コンサルティング活用
インフルエンサーに商品開発や企画段階から関わってもらい、監修者として名を連ねてもらう手法が「監修・コンサルティング」です。
単なる紹介にとどまらず「この人が作った・アドバイスした」という付加価値がつくため、ファンからの信頼感や購買意欲を強く刺激できます。
食品やコスメ、アパレルなど、消費者のこだわりが強い商材で特に効果を発揮し、ブランドの権威性や差別化にもつながります。
ライブコマース・コラボレーション企画
インフルエンサーと一緒にライブ配信を行い、リアルタイムで商品を紹介するのがライブコマースです。双方向のやり取りが可能で、視聴者の質問に答えながら販売につなげられるのが魅力です。
さらに、コラボ商品の開発や限定企画と組み合わせれば、ファンにとって「特別感のある体験」を提供できます。
購買意欲を高めるだけでなく、ブランドへの愛着を深める施策としても注目されています。
インスタで商品提供したいなら「株式会社クロスアイ」
インスタでインフルエンサーに商品提供をしたくても、商品提供の経験やノウハウがなく悩んでいる企業も多いのではないでしょうか。
インスタで商品提供でPR活動を進めたい企業には、キャスティング会社への依頼をおすすめします。キャスティング会社は、インスタグラマーや芸能人などインフルエンサーと企業を仲介する専門家です。
インスタでの商品提供に力を入れるなら、キャスティング会社の「株式会社クロスアイ」へご相談ください。株式会社クロスアイは「日本一芸能に詳しいキャスティング会社」として、インスタグラマーの選定からPR戦略の提案、契約成立までをサポートします。
「インスタでの商品提供の経験がない」「インフルエンサーと交渉できるか不安」という企業は、ぜひ株式会社クロスアイへお問い合わせください。
まとめ
インスタの商品提供(ギフティング)は、インフルエンサーを通じて商品の魅力を自然に伝えられる有効なPR手法です。ただし、目的やKPIを定めずに始めたり、フォロワー数だけで選んだりすると期待した成果にはつながりません。
成功させるには、ターゲット層に合ったインフルエンサーの選定や、PR表記・表現ルールの徹底など、炎上を避けるための基本を押さえることがポイントです。
さらに、ギフティング以外にもサービス体験や現地訪問、監修やライブコマースなど、多様なインフルエンサーマーケティング手法があります。商材や目的に応じて最適な施策を選び、柔軟に組み合わせることが成果を高める近道です。
「自社での進め方が不安」「最適なインフルエンサーを探したい」とお考えなら、専門のキャスティング会社に相談するのがおすすめです。
株式会社クロスアイなら、豊富な実績とネットワークを活かして、インスタでのギフティングをはじめとする幅広い施策をサポートします。インフルエンサーを活用したPRを検討している方は、ぜひ一度ご相談ください。