CM撮影の流れを徹底解説|企画から公開まで全体ガイド

初めてCM撮影をすることになったとき、「何から始めればいいのか」と悩む方は多いのではないでしょうか。
CM撮影には、企画づくりからキャスト選定、撮影準備、編集、公開後の効果測定まで、多くのステップがあります。しかも、テレビCMとWebCMでは期間や費用の目安も異なり、準備不足は大きなトラブルにつながりかねません。安心してCM制作を進めるには、まず全体像を知っておく必要があります。

この記事では、CM撮影の流れを6つの基本ステップに分けて徹底解説します。さらに期間の目安や費用相場、制作を成功させるために欠かせないキャスティング会社の役割までわかりやすくお伝えします。
CM制作の全体像を把握し、安心してプロジェクトを進めたいとお考えの方は、ぜひ最後までご覧ください。
【基本の6ステップ】CM撮影の流れ

CM撮影の流れは、以下の6つの工程で構成されています。
- ・ステップ1.企画立案と絵コンテ作成
- ・ステップ2.キャスティング
- ・ステップ3.撮影準備
- ・ステップ4.CM撮影
- ・ステップ5.編集
- ・ステップ6.公開と効果測定
順に解説します。
ステップ1.企画立案と絵コンテ作成
CMを制作するときは、まず目的とターゲットを明確にしたうえで企画を立案することが大切です。商品やサービスを広く知ってもらうのか、ブランドイメージを高めたいのか、あるいは企業を印象づけたいのかなど、目的によって映像の内容は大きく変わります。
さらに「誰に届けたいか」を定めると、適した媒体やCMの尺も見えてきて、企画の全体像が固まりやすくなります。
そして重要になるのが絵コンテです。絵コンテは、セリフやシーン展開、演出を視覚的に示した設計図です。これにより、制作に関わる全員が同じ完成イメージを持てるようになるのです。
ステップ2.キャスティング
CMの印象を大きく左右するのが出演者です。芸能人やインフルエンサー、モデルなど、どの人物をどう起用するかによって映像の雰囲気や訴求力は大きく変わります。
重要なのは、ブランドのイメージやターゲット層に合ったキャストを選ぶことです。若年層向けの商品ならSNSで影響力のあるインフルエンサー、信頼性を重視する内容なら俳優や専門家といった具合に、目的に応じた選定が求められます。
ただし、キャスティングには事務所との交渉、スケジュール調整、契約書の取り交わしなど多くの実務が伴います。これらを自社で進めるのは負担が大きいため、専門のキャスティング会社を利用するケースが一般的です。プロのサポートを得ることで、希望に沿った人材をスムーズに起用できるでしょう。
ステップ3.撮影準備
CM撮影がうまくいくかどうかは、ロケ地や機材、スタッフの手配など、撮影前の準備がどれだけ丁寧にできているかにかかっています。
まず、ロケ地の確保や撮影機材の手配、美術セット、衣装、小道具などの準備を整えることが基本です。加えて、スケジュールを細かく作成し、必要に応じてリハーサルを実施します。リハーサルは本番を想定した流れを確認できるため、当日のトラブルを未然に防ぐ効果があります。
さらに重要なのが、制作会社や広告代理店、キャスト、技術スタッフなど多くの関係者との連携です。各チームが同じ目標を共有し、役割分担を明確にしておきましょう。そうすることで撮影当日の進行がスムーズになり、限られた時間を最大限に活用できます。
ステップ4.CM撮影
CM撮影当日は、「準備→本番→撮影内容の確認→撤収」の流れで進みます。
準備では機材の設置やメイク、リハーサルを行い、本番では計画に沿ってシーンを撮影します。撮影後は映像を確認し、不足や修正があればその場で対応。最後に現場を元の状態に戻し、撤収作業が完了です。
スケジュール通りに進めるには、現場での責任者や制作チームの進行を管理する力が欠かせません。また、撮影中には演出変更や天候不良、機材の不具合といった予期せぬ事態が起こることもあります。
そうしたときに適切に判断し、臨機応変に対応できるかどうかが、撮影を成功に導く大きなポイントとなります。
ステップ5.編集
撮影が終わったら、いよいよ編集作業に入ります。一般的には「オフライン編集(仮編集)」から始まり、その後「オンライン編集(本編集)」へと進みます。
オフライン編集では映像のカット割りを行い、全体の構成を確認することが重要です。本編集ではテロップやCGの追加、色味の調整、BGMやナレーションの差し込みなどを行い、映像の完成度を高めていきます。
これらの作業を通して、初めて視聴者に届けられるクオリティに仕上がります。ただし、編集段階ではディレクターやクライアントとの確認や修正が頻繁に発生しがちです。
想定以上に時間を要するケースもあるため、スケジュールには余裕を持たせて進めることが重要です。
ステップ6.公開と効果測定
編集が終わったら、いよいよCMを公開するステップです。
公開にあたっては、テレビCMではCMコードの取得や音量基準への対応が必要です。Web配信の場合はSNSや動画プラットフォームの仕様に合わせた形式で公開します。
公開後は、再生回数や視聴完了率、問い合わせ数の増加といった効果測定を行い、成果を数値で把握します。さらに、出演者の影響力を考慮した分析も欠かせません。
ファン層の反応やSNSでのシェア数などをチェックし、起用後の動向や評価を踏まえて振り返ることで、次回の制作に活かせます。効果測定までしっかり行うことが、CMの価値を最大化するための重要なプロセスです。
CM撮影に必要な期間の目安

CM制作にかかる期間は、企画の内容や起用するタレント、予算規模によって変わります。そのうえで、テレビCMとWebCMでは平均的なスケジュールが異なります。
種類 | 撮影から公開までの期間
|
テレビCM | 約2〜3か月 |
WebCM | 約1〜2か月 (小規模なら2〜3週間) |
テレビCMでは、放送局ごとのルールや技術的な規定に対応する必要があり、準備に時間がかかる傾向があります。たとえば「映像や音声の形式」「音量の基準」「不適切な表現がないかのチェック」など、放送できる内容や仕様に細かな規定があるためです。特に全国放送では、各局ごとの審査を通過しなければならないこともあり、調整に時間がかかることがあります。制作に関わる人数も多く、スケジュールが延びやすいのもテレビCMの特徴です。
一方でWebCMは、配信先(YouTubeやSNSなど)の規定が比較的シンプルで自由度も高く、短い期間で公開できることが多いです。小規模な企画なら2〜3週間ほどで配信できるケースもあります。ただし、短納期の場合は見直しや修正の時間が限られるため、事前の企画や絵コンテをしっかり作り込んでおくことが欠かせません。クオリティを重視したい場合は、1〜2か月ほどの制作期間を見ておくと安心です。
CM撮影にかかる主な費用

CM撮影にかかる主な費用は、以下の3つです。
- ・制作にかかる費用|企画・撮影・編集
- ・出演者にかかる費用|キャスト・ナレーター
- ・CM放映にかかる費用|テレビ・Web
それぞれ解説します。
制作にかかる費用|企画・撮影・編集
制作にかかる費用とは、企画の立案から撮影、編集に至るまでの技術的・人為的な作業に必要なコストのことです。
まずプランナーやディレクターの人件費、絵コンテ制作などを含む「企画・演出費」があります。次に、カメラや照明といった機材費、スタジオやロケ地の使用料、スタッフ人件費を含む「撮影費」です。そして、映像編集やテロップの挿入、CG制作、音響作業などを行う「編集費」がかかります。
これらの費用は、撮影日数やロケの規模、映像表現の複雑さによって大きく変動するため、注意が必要です。相場としてはテレビCMで500万〜1500万円程度、WebCMであれば20万〜500万円程度と幅が大きく、同じCMでも条件次第で費用は大きく変わります。
そのため、事前に企画内容や制作規模をしっかり固めることが重要です。
出演者にかかる費用|キャスト・ナレーター
出演者にかかる費用はジャンルごとに大きな幅があり、下記が代表的な相場です。
ジャンル | 出演料 |
俳優 | 50万円~1憶円 |
歌手・ミュージシャン | 50万円~1憶円 |
アイドル | 30万円~5000万円 |
芸人 | 30万円~1億円 |
モデル・グラビアアイドル | 30万円~1500万円 |
※年間契約の場合
金額に影響する要素としては、知名度や拘束時間、出演する媒体、期間などです。さらに、二次利用の有無や使用条件によっても変動します。
同じタレントを起用する場合でも、全国放送か地域限定か、また、1か月契約か年間契約かによって、出演料は大きく異なります。条件を曖昧にしたまま進めると予想外の出費につながるため、企画の目的やターゲットを明確にし、事前に使用範囲を定めておくことが重要です。
CM放映にかかる費用|テレビ・Web
CMを放送するための費用は、媒体や条件によって大きく異なります。
テレビCMの場合、全国放送なら1回あたり30万〜100万円程度が目安で、地方局なら1万〜25万円ほどに抑えられます。ただし、実際には複数回にわたって放送するのが一般的です。そのため合計すると、数百万円から数千万円に達することも少なくありません。
一方、Web広告は動画やSNSを使えば数百円から出稿できるため、費用面でのハードルが低く、始めやすいのが特徴です。運用を代行会社に依頼する場合は、広告費に加えて20%前後の手数料がかかります。それでもテレビに比べてコスト調整がしやすく、目的に合わせて柔軟に展開できるでしょう。
CM撮影の費用やテレビCMとWebCMの違いについて、さらに詳しく知りたい方は「CMの費用内訳とギャラ相場を解説|Webとテレビの違いも比較」をご覧ください。
CM撮影を成功に導く!キャスティング会社3つの役割

キャスティング会社の役割は、出演者の手配にとどまりません。CM撮影全体をつなぐ「ハブ」として機能します。主な役割は、以下の3つです。
- ・最適なキャストと企画の提案
- ・撮影当日の現場サポート
- ・急なトラブル対応
それぞれ解説します。
最適なキャストと企画の提案
キャスティング会社は、監督やクライアントの意図を的確にくみ取り、目的に合った出演者を提案します。豊富なネットワークと知見を活かし、俳優やモデル、インフルエンサーなど幅広い候補を提示できるのが強みです。
企画の狙いや目的に合わせて、出演者の個性をさらに引き出す提案も可能で、映像の印象を大きく高められます。
単なる人材手配にとどまらず、こうした取り組みを通じて最適なキャストと企画による制作が実現するのです。結果的に、CM制作を成功させることにつながります。
撮影当日の現場サポート
タレントがリラックスして最高のパフォーマンスを発揮できるよう環境を整えるのは、キャスティング会社の大きな役割です。
クライアントや制作スタッフ、タレントの間に立ち、コミュニケーションを円滑にすることで現場の混乱を防ぎます。さらに、スケジュールに沿った進行管理に加え、演出の変更や時間のずれなど、急な調整にも柔軟に対応できるのも強みです。
豊富なノウハウを活かしたサポートにより、撮影は予定通りに進みやすくなります。現場がスムーズに進行するかどうかは、キャスティング会社のサポート力に大きく左右されるといえるでしょう。
急なトラブル対応
CM制作の現場では、タレントの体調不良やスケジュール変更、ロケ地の使用制限など、予期せぬトラブルが発生することがあります。こうした事態に迅速に対応できるのが、キャスティング会社の強みです。
豊富なネットワークを活かして代替案を提示したり、スケジュールを再調整したりすることで、制作全体の進行を止めません。
特に撮影は限られた時間の中で行われるため、その場の対応力が、スムーズな進行や映像の完成度につながってきます。キャスティング会社がサポートに入ることで、急なトラブルにも柔軟に対応でき、安心して制作を任せられます。
CM撮影でのキャスティング方法について、もっと詳しく知りたい方は「CMにタレントをキャスティングしたい!効果や方法、費用相場について解説」もご覧ください。
まとめ
CM撮影は企画立案からキャスト選定、撮影準備や当日の進行、編集、効果測定まで、さまざまな工程を経て完成します。
ただし、必要な工数や期間は媒体によって異なるため、注意が必要です。テレビCMとWebCMでは必要な期間や費用も大きく異なり、入念な準備と的確な進行管理が欠かせません。特に出演者の選定や現場での調整、突発的なトラブル対応は専門性が求められ、自社だけで対応するのは大きな負担となります。
その点、キャスティング会社を利用すれば、最適なキャストの提案から現場でのサポート、そしてトラブル対応まで一貫して任せられます。
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